農業と経済2010年4月臨時増刊号 第76巻 第4号

食は誰のものか?―錯綜する世界のフードポリティクス

目次

I 食料危機と向き合う世界
1 食・農・環境をめぐるグローバル・ガバナンス―再編を迫られる世界枠組み(パラダイム・レジーム抗争) 古沢広祐
2 投機資金による資源・穀物市場の撹乱と国際的規制 毛利良一
3 開発途上国を中心舞台に過熱する農地投資 北林寿信
4 フードポリティクスと市民社会組織の可能性 佐久間智子
5 反グローバリゼーションから脱グローバリゼーションへ―ローカルからの発信と可能性 池上甲一
【コラム】
・変わる水産物の貿易構造と日本の食料戦略 山尾政博
・変わる青果物の貿易構造と食品企業の調達戦略 下渡敏治

II 食料をめぐる対立と調整
1 オバマ政権の新交渉方針とWTO農業交渉のデッドロック 服部信司
2 途上国農業開発をめぐる国際機関の役割 小山 修
3 WTO/SPS協定による食品安全性をめぐる国際調整の枠組み 藤岡典夫
4 知的所有権・遺伝資源をめぐる国際交渉―生物多様性条約の影響を中心に 今泉 晶
【コラム】
・穀物・資源価格高騰と多国籍アグリビジネス 松原豊彦

III 世界で力を増す市民社会組織
1 農産物貿易問題と市民社会組織の役割 松平尚也
2 バイオ燃料問題と市民社会組織の役割 満田夏花
3 遺伝子組み換え問題と市民社会組織の役割 アキコ・フリッド
4 アフリカの食料安全保障において市民社会組織が果たす役割―情報アクセス支援という課題 斉藤龍一郎
5 フードポリティクスを見据えた市民社会組織の新たな挑戦―オランダを中心に 久野秀二

IV バイオ燃料のフードポリティクス
1 アメリカにおけるバイオエタノール普及拡大をめぐる政策論争 大江徹男・坂内 久
2 ヨーロッパのバイオ燃料生産と政策の現状と課題―域内外に課題を抱える欧州連合(EU)のバイオ燃料生産事情 加藤信夫
3 ブラジルにおけるバイオ燃料ブーム 佐野聖香
4 東南アジアにおけるバイオ燃料問題―マレーシアのパーム・バイオディーゼルを中心に 岩佐和幸
5 アフリカにおけるバイオ燃料用作物の役割 ―ヤトロファはタンザニアにとって「奇跡の作物」か「新植民地システム」か 辻村英之・水野由康

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